先日ガールズバンドGacharic Spin(ガチャピン)が新アー写(アーティスト写真)と共に,今年予定していた47都道府県を全て白紙にしての仕切り直すこと,8月にライブ映像配信を実施すること,9月に客を入れてのライブを開催することを発表しました.
2019年に始動した第5期のバンド感をよりクールに表現したアー写も評判ですが,何より無観客配信ではないライブの開催は,待ってました!というところ.
日時,場所,チケットについても発表されているので,それらについて整理してみると,観客入れてのライブの難しさも改めて感じました.
・9/22に開催されるライブ概要
・ガイドラインに沿った会場キャパとチケット料金について
ライブ概要
発表されたライブの概要です.
Gacharic Spin LIVE 2020
Now or never!!~生ライブやります!心の距離は密でね~
名古屋Electric Lady Land
2020年9月22日(火)
1st STAGE 開場14:30 / 開演15:00
2nd STAGE 開場17:30 / 開演18:00
プレミアムチケット ¥11,000(税込/ドリンク代別)
20枚限定・整理番号 1番〜20番/お土産付き
枚数制限 1人1枚まで
通常チケット前売 ¥5,280(税込/ドリンク代別)
枚数制限 1人2枚まで
FC会員先行受付 7月31日(金)19:00~8月10日(月)23:59
HP先行受付 8月14日(金)12:00~8月23日(日)23:59
一般発売 8月29日(土)10:00~
都内を拠点としているバンドですが,開催されるのは名古屋.
なぜ名古屋?という話ですが,Electric Lady Landと同建物内のell.FITS ALLはガチャピンのホームといえる場所なので,ファンからすると納得な場所ではあります.
何せ過去10年で700本以上を数えるガチャピンライブにおいて,ライブの最多開催場所がell.FITS ALL,次いでElectric Lady Landとなっています.
ell.FITS ALLで30回,Electric Lady Landで29回.系列のell.SIZEでのライブや,メンバーのソロライブ,サイドプロジェクト(DOLL$BOXX, 寺田リックスピン)なども含めると,おそらくライブのおよそ1割はこの場所だと言える程の数になります.
単純に数が多いだけでなく,ガチャピンが結成して初めてライブを行ったライブハウスがell.FITS ALLであり,10周年を始めとした数々の節目となるライブも開催されている場所です.
今の状況下でライブをやるうえで,各種ガイドラインに沿った対策をとったうえで成立するライブを行わなければならないわけです.その中で,アーティスト側とライブハウス側の信頼関係なども含めて,ガチャピンがニューノーマルを見据えて,最初にライブをやる場所としてElectric Lady Landとなったのは頷けるところです.
会場キャパと金額
Electric Lady Landについて
名古屋市内の歴史あるライブハウスで,名古屋駅からは地下鉄で2駅,地下鉄鶴舞線大須観音駅から歩いて直ぐの場所にあります.周辺にコインパーキングも多数あり,アクセスのし易い立地です.
通常キャパはスタンディングで600人程で,同じ建物3階のell.FITSALLはキャパ300人程,すぐ近くの建物にあるell.SIZEはキャパ150人程です.
Electric Lady Landはフロアに複数の段差があり,各々の段に柵も設置されています.これにより,通常であれば後方になると人で埋まって前方が見えにくくなるところを,後ろの方でも割と視界が開けているので見やすい印象があります.
新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルス下での緊急事態宣言もあり,営業休止していましたが,7月に入ってから,収容人数を制限し,必要な対策を講じたうえで営業を再開しています.
今回のライブ開催にあたって,注意事項としてガチャピンのHPに記載の内容を一部抜粋したものが下記です.
- 政府ガイドラインに基づき、間隔を空けて座席設置
- 入場口にて検温を実施、37.5°C以上の発熱が
確認された場合、入場をお断りする - マスクを着用しての来場
- 場内における会話、大声による発声は控える
- 入場口に手指用のアルコール消毒液を用意
- プレゼント及びスタンド花・お祝い花は、
感染リスク低減のため辞退 - 公演中、会場内の換気扇を全て使用、定期的に
場内ドアを開放する換気時間を設ける予定 - ドリンクの提供はペットボトル・缶・使い捨て
プラスチック製カップを使用
飛びぬけて厳しい制限があるわけではなく,昨今の状況下ではスタンダードとなりつつある対策が一通りとられるようです.
もちろん現時点での情報なので,今後の動向次第で変わることもあるとは思いますが,こればかりはライブを見るために,その時点で必要な対策をとる必要がありますし,我々お客側もそれに従う必要があると思います.
キャパ(収容人数)
おそらく大半の方が気になるのがここから.
通常キャパが600人なのに対して人数を制限するとどうなるのか,という点.
これについてElectric Lady LandのHP上では記載が見つけられなかったのですが,7月の営業再開後すぐにライブを開催した田村直美さんのHPに会場使用ガイドラインが記載されていました.
そこに記載されている内容のうちキャパに関係する項目を抜粋したものです.
- 1人1人の間隔を空けて座席を設置
(キャパ:78名<物販スペースなし> / 72名<物販スペースあり>) - ステージと客席の間隔を取る(約2m)
物販スペースなしで78人,物販スペースを設けると72人という数字.通常キャパの1割程の収容人数が記載されています.
正直少ないという印象を受ける方もいると思いますが,これが今のガイドラインに沿った現実です.
このガイドラインに沿って,客同士1mの間隔を取った場合にどのような配置になるのか.Electric Lady LandのHPに会場の図面があったので,それを参考に描いてみた図です.
あくまで私の予想で描いているので,必ずしもこうなるとは限りませんが,概ねこんな感じになるのではないかと思っています.
今回のライブでは1~20番をプレミアムチケットと設定していますが,おそらくステージ前の最前段がこれに割り当てられているのかなというと感じですね.
今回FC先行以外の販売もアナウンスされていますが,仮にこのガイドライン通りの収容人数として,何枚のチケットが割り当てられるのでしょうかね?
本来600人集客できるところで,2回公演したところで150人弱.1/4程の人しかライブに参加できないわけで,何れにしてもチケット争奪戦は必至.
ライブ見たい人が溢れかえっている状況下で,多少参加を躊躇う人がいたとしても,希望する人の一握りしか実際チケット取れないがもどかしいですが,今できる範囲ではこれが精いっぱいと思うしかないですね.
チケット料金
今回のチケットは20枚限定のプレミアムチケットが\11,000(税込),通常チケットが\5,280(税込)という価格設定になっています.
これを見た時の正直な感想は「思ったより安いな」でした.
もちろん平常時のチケットと比べると当然値段は高いのですが,上述の通り通常キャパの1割程しか集客できない状況での価格設定としては安いと思います.
安いと思った理由を簡単に計算してみます.
ここ数年,ガチャピンがElectric Lady Landで開催したワンマンライブのチケット料金は\4,000~\4,500なので,仮に通常料金を\4,000とします.
毎回ソールドアウトとはいかずとも会場いっぱいに人が入っているので,キャパ600人に対して8割強集客したとして人数は500人と想定.
単純計算売上としては
4,000 x 500 = \2,000,000
となります.
今回開催されるライブはガイドラインに沿って,物販スペース設けたとして1公演72人が2公演なので72 x 2 =144人の集客.
単純に従来と同じ売上をこの人数で得ようとすると
\2,000,000 ÷ 144 ≒ \13,900
となります.
プレミアムチケットでも\13,900より安いですし,通常チケットは半額以下.この金額設定だと勝手な推測ですがビジネスとしてほとんど採算とれてないレベルではないかなと思います.
2公演全部チケット売れても\1,000,000にも満たないわけで,ライブをするうえで感染防止対策のために通常以上の費用も掛かるでしょうし.
ということを踏まえると今回のライブは商業的な意味合いではなく,文字通り「ライブをやること」そのものが目的だと推察できます.
実際にやらないと分からないことだらけなのが実情だと思いますし,採算も考えつつ,まずはやってみるということでしょうね.
本来であればこういったガイドラインに沿った興行の実施にも何かしら補助があるとよいのでしょうが,それが正直望めないので,有料配信併用であったり,グッズなど別の方法での収益確保が現実的なのが今の状況といったところかと思います.
まとめ
今回アナウンスされたガチャピンライブについて発表された情報を基にして主にキャパと金額設定について考えてみました.
何れもガイドラインに沿って,現実的な範囲で設定されたものですが,平常時と比べると異質であるのは間違いないです.
ですが,今回はあくまで今後のニューノーマルを見据えたライブスタイルを確立するための試金石という位置づけというのが見えてきました.
ライブハウス側も,アーティスト側も出来得る限りの対応をとって,その中で参加する人に最大限のライブを提供しようと動いているのは明白です.何せライブをするのがガチャピンで,ライブハウスがElectric Lady Landなので.
だからこそ,参加する側も,ともすると窮屈に感じるかもしれないルールに則り,その枠の中で最大限の楽しみを見出して,一緒に新たなライブのカタチを創っていく必要があるのかなと思います.
まずは当選することを祈りながらチケット申し込みたいと思います(笑)
8/13追記
本日チケットの当落発表があり,第一希望は外れましたが,運よく第二希望のチケットが当選しました.
コロナウイルスの第二波とも言われる昨今の状況下でどうなるかは未知数ですが,ライブに向けて取り得る限りに対策を準備して臨みたいと思います!