かれこれ7年以上,別ブログで主にライブレポを書き続けてきたのですが,使い勝手の面でイマイチなところもあり,新たにブログを自前で立ち上げました.従来ブログでのライブレポは残しつつ,こちらで色々と更新していきたい所存.
そんなブログの最初の投稿は先日リリースされた,自分の人生のど真ん中にいるバンド,Gacharic Spin(ガチャピン)のBlu-rayについて.
こちらは昨年10月14日に開催された中野サンプラザでの自身の10周年を記念したワンマンライブとそのオフショットを収録したもの.
バンドの10周年を記念…と言っても通常想像しうるバンドの10周年とは一味も二味も違うのがGacharic Spinというバンド.
メインボーカル脱退後に新メンバーとしてキーボーディストが加入し,その後にパフォーマーも加入.そのパフォーマーが卒業すると,マイクパフォーマーに加えてドラマーが加入,元いたドラマーがギターボーカルに転向するという摩訶不思議バンド.
現在はFチョッパーKOGA(ベース),はな(ギター&ボーカル),TOMO-ZO(ギター),オレオレオナ様(キーボード),アンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー),yuri(ドラム)の6人編成.
そんなわけで結成10年目にしてドラマーがギターボーカルに転向して,イチからバンドを作り直しながら全国ツアーを周り辿り着いたのが10月14日の中野サンプラザ.そのライブの様子の一部はBlu-rayのトレーラーとして公開されています.
そんなblu-rayの個人的見どころを.
目まぐるしく変わるフォーメーション
前述の如く,バンドが歩みを進める中で様々な形態を採ってきたので通常のバンドのようにボーカルがいて,ギターがいて,ベースがいて…とならないのがGacharic Spin.もちろんメインのパートはあるのですが,曲ごとに変幻自在にパートもフォーメーションも変わるのが面白いところであり,(やってる方は)大変なところ.
まずボーカルに関してメインはギターボーカルのはなちゃんとマイクパフォーマーのアンジーさんの2人.だけでなくキーボードのオレオ様だったりギターのTOMO-ZOだったり曲によってはメインボーカルが変わるのが面白いところ.ドラムのyuriさんも一部のフレーズを歌ったりしますし.
ベースのKOGAさんは…?
と思った方.
何故この話題で触れていないのかはお近くのGacharic Spinに詳しい方にお尋ねください.
他にも過去のフォーメーションを踏襲してサポートダンサーを入れたパフォーマンスする曲あり,オレオ様が(キーボード放置で)前に出てくる曲あり,はなちゃんがエアロフォン吹いたりする曲ありと様々.
このライブではやっていないもののドラムのyuriさんが前に出てくるパターンもあったりします.
それよりも何よりもこのライブでの最大の見どころと言っても過言ではないのがyuriさんとはなちゃんのツインドラム!
元々はなちゃんがドラム&ボーカルだっただけにツアー中は曲によってははなちゃんが叩くこともあって,ファイナルでやるのでは…と期待が高まっていたフォーメーション.
普通のバンドにあってなかなか出てこないツインドラムが自前のメンバーだけで成立するのが凄いというかなんというか.
多彩な楽曲
端的に”ガールズロックバンド”という括りにいれてしまうとそれまでですが,やっている楽曲自体の振れ幅は相当なもの.激しいハードロックな曲もあれば,聞いてて楽しいポップロックな曲もあり,思わず聞き入る抒情的なバラードもあり.曲によってはペンライトにコールもアリなヲタヲタ感がマッチする曲もあり(笑)
このライブでも一番最初にリリースされた楽曲「Lock On!!」から,武人画家こうじょう雅之さんと共に立ち上がったパラスポーツの応援プロジェクト”Para Plus Project”にも使われるTHE BAKC HORNの菅波栄純さん提供の最新曲「超えてゆけ」まで10年間に生まれた曲を満遍なく披露.
そもそもこのバンド,ひとつのツアーにあっても毎回セットリストが変わるのも特異なところ.アーティストによってはツアーは同じセットリストで回ったり,日替わりブロックを設けてそこだけ変える,みたいな方が多いと思うのですが.
毎度セットリストを変えるのはやってる側は大変極まりないことですが,見る側としてはライブ行く度に違う曲を体感できるというのは得難い体験.
今回の中野サンプラザに関してもツアー中とは当然セットリストは異なり,特に10周年を記念した特別編ということで10年分の歴史を楽曲と共に振り返る,という意味合いが強かった印象.
「ヌーディリズム」みたいに普段のライブではなかなか演奏されない,けれどバンドの歴史を語る上では外せない楽曲,というのも組み込まれていますし.
個人的にも好きな曲なので時が流れても当時と同じメンバー,同じ編成でこの曲聞いた時には色々とこみ上げてくるものがありましたね.
楽しさと熱さの共存
このバンドの目指しているところは『老若男女問わず楽しめるライブ』
(と勝手に解釈しています.)
ライブハウスでのライブと座席ありの所謂ホールでのライブとでは客席とステージとの距離感ももちろん違いますし,お客さん同士の距離(物理的/心理的)も違うので同じように盛り上がり,楽しめるかというとそうではないことが多いように思います.
ところがガチャピンに関してはバンドとしての激しさ,ライブの熱量は高く,それでいてみんなで体を動かして年齢性別問わず楽しめる要素が満載というのが特異なところと感じています.
現体制になってからはややバンド感が強まっているきらいもありますが,10年の歴史の中で歌って踊って光って回る,そんな独自のスタイルを築き上げてきているので,やっぱりライブ総じての感想は”楽しい”が先行しています.
演奏やライブが激しい一方で,MCとなると緩く面白可笑しく進行するのも魅力の一つ.もちろん面白可笑しいだけでなく,本音を包み隠さずストレートに放つ言葉が心を打つこともしばしば.
こんな感じでガチャピンの10年分が詰まったライブ映像作品なので,”今”のGacharic Spinの入門編としてもうってつけの1枚かと思います.
根っからのライブバンドなガチャピンさんは今年2月2日HEAVEN’S ROCKさいたま新都心でのライブを皮切りに,全国47都道府県を回るツアーが始まります.ツアー開始後ほどなくして現体制初の音源であるメジャー4thアルバム『Gold Dash』のリリースも決定.
このバンドに関しては文字通り百聞は一見に如かず,言語化不可能な魅力がライブには詰まっています.新たなアルバムを引っ提げての47都道府県ツアー,アナタの街にガチャピンがやってくるこの機会に,一度見てみてはいかがでしょうか.