Gacharic Spin

ガチャピンVR生配信LIVE見てみた結果…

7月3日に行われたガールズバンドGacharic Spin(ガチャピン)VRによる生配信ライブ「飛び出すガチャピン!〜おうちでライブ〜」を視聴しました.

コロナ禍でライブハウスでの活動ができず苦しんでるアーティストが次々と実施している有料での配信ライブ.

大半は従来のライブ映像同様の配信かと思いますが,ガチャピンが採った手段はVRを活用したライブ配信

VRとはVirtual Realityの名の通り,実体験に近い体験が得られる手段ですが,正直なところ未だあまり馴染みがないものでした.

今回ガチャピンがVRでの生配信LIVEを行うということで手を出したわけですが,実際のところどうなの?っていうのを実体験ベースで書き記しておこうと思います.

ことの始まり

https://twitter.com/FKOGA_GS/status/1264025374410694657

ライブが軒並み延期・中止となる中で上記のツイートがあった時点で,「この人達,VRでライブ配信やる気だな」とは思っていたのですが,思っていたよりも早くその日はやってきました.

上記ツイートが5月23日で,ライブ開催が発表されたのが6月11日,開催日が7月3日.

VRを匂わせてからライブ開催までわずか1か月ちょっと.元々構想としてはあったのかもしれないですが,なかなかのスピード感です.

緊急事態宣言が解除された後も各自自体の示すガイドラインに沿うとそもそも採算とれるレベルの公演ができないのが実情なので,それだけ何かしら手を打たないと厳しい状況なのだと思います.

とはいえ,大半の人が初めましてなサービスであったので,メンバーも勉強方々動画撮影を行い,ライブ告知後直ぐに説明用として動画も配信されました.

VR視聴準備

視聴アプリとチケット購入

今回のVR動画配信はVR MODEにて行われました.

VR MODEは2020年5月にサービス開始したばかりの新しいサービスで,今回のライブはVR MODEと渋谷にあるビクターエンタテインメント直営ライブハウスであるShibuya Veatsのコラボ企画として行われました.

一方チケット販売はStream Passなるサービスで行われていました.あくまでVR MODEはVR映像を視聴する媒体で,そこで視聴する権利をStream Passで購入する,という構図.

双方のIDも共通のPlus member IDとなっており連携しているのですが,このID登録はVR MODEで行うには,アプリ上ではできずWeb上で実施する必要があります.

  1. VR MODE(Web)で会員登録 [Plus member ID取得]
  2. Stream Passでチケット購入 [Plus member IDでログイン]
  3. VR MODE(アプリ)で視聴 [Plus member IDでログイン]

気持ち的には視聴するサービスのアプリをダウンロードして,そこの中で会員登録,視聴動画の購入までワンストップで行えると思っていたので,複数のサービスを跨いで,アプリとWebを行ったり来たりする方式は,少しとっつきにくさを感じましたね.

VR視聴媒体

VRとして映像を見ないのであればスマホがあればそれで事足りるのですが,せっかくなのでVR用ゴーグルを購入.

いきなりVR専用のゴーグルOculus Goを買うのはさすがに値段的にも躊躇したので,手ごろな価格で手に入るスマホをセットして使うタイプのゴーグルをゲット.

今までさして気に留めてませんでしたが,家電量販店で普通に数千円で買えるゴーグルが売ってるんですよね.

ものによってはヘッドフォンがついているゴーグルもあるようですが,私が購入したのはゴーグルのみなので,音を聞くのはスマホを直接鳴らすかBluetoothのイヤホンを使うか,になります.

さすがにゴーグルにセットしたスマホをそのまま鳴らすのは微妙な気がしたので,イヤホンを準備.元々イヤホンは持っていたので買ってないんですけどね.

お試し視聴

VR MODEで視聴する準備が整ったので,試しに視聴.無料コンテンツも準備されているので,どんな感じで見えるのかは本番前に確認できます.

見たい動画の再生を選択すると「一眼モード」「二眼モード」を選択しつつゴーグルにセットするための15秒の時間がカウントダウンされてから映像がスタート.

「一眼モード」で視聴する場合は,いつも通り動画を見ている感じながら,スマホを動かせば,映像も連動して動いてそれだけでも面白いです.そして「二眼モード」にしてゴーグルにセットするとVR映像として見れるというカタチ.

ゴーグルにセットした状態で下を向くとメニューが表示されて,アイコンに一定時間視点を当てていると,停止や正面位置の調整,モードの切り替えができるのでスマホを触らずとも操作できるようになっていて感心.

お手頃価格のゴーグルなので一応ピント調節がついているとはいえ,気休め程度なので,ゴーグルにセットした状態で映像見ると,多少ぼやっとする感じは否めないですが,それでもVR体験をするには十分楽しめるレベルと個人的には思いました.

一方で無料コンテンツを5分程度見ているだけでもスマホが結構な発熱をしていたので,長時間の視聴に関しては少し不安もありましたが.

生配信LIVE視聴

全ての準備が整ったので,当日いざ視聴.

今回の配信は本編だけでも2時間超と告知されており,更にメンバーによる前説,ライブ後の打ち上げ配信もあるという大ボリューム.

スマホとイヤホンの充電を確認して,時間になる前にスマホの通知類を全てオフにして,準備万端.

スマホをセットして視聴している都合上,通知をオフにしておかないと映像見ている最中に,通知が表示されるので,せっかくの視聴中に気が散る可能性があるので,忘れず通知切っておくべきと思います.

18時開場で19時スタート.その間の1時間にメンバーによるクセ強めの前説と通常の前説の2回行われました.

VR MODEのアプリで時間になれば購入した公演のリンクから映像視聴に飛べるようになり,特段手続きはなく視聴開始.

前説に関しては初めての人も多いだろうから使い勝手の説明も兼ねて行った,とメンバーから話がありましたが,配信側も視聴側も本番前にテストできる場があるのはよい試みだなと思いました.

いきなり本番だとトラブった時に大変ですからね.

始める前の関係者の方の声やメンバーの声も聞こえていたので,配信側も初めての試みで手探りの最中,という感じでした.

本編の1曲目は3月発売のアルバムの表題曲Gold Dash.ライブが始まってみると通常のライブ映像見るよりは,圧倒的に臨場感ある光景が眼前に広がていました.


自分が顔の向きを変えれば視点も変わる.メンバーが近づいてくれば眼前にいるかのような距離感を感じる.

もちろんSF映画のような完全な仮想現実,というわけではないですが,それでも今までの映像視聴に比べると,一段ステージの違う映像“体験”ができる面白みがあるというのは十二分に感じましたね.

視聴してみての感想

新しいチャレンジであったので,全てが始めからうまくいくとは当然考えておらず,良否含めてやってみないと分からないのが実情と思っています.

今回自分で体験してみて感じたことをいくつか挙げてみます.

長時間の視聴はキツイ

スマホ付きゴーグルを頭につけているので重心が前寄りになり,ずっと付けていると首とか肩が結構疲れました.

言ってしまえば顔に重りつけてるようなものなので.加えて両手を自由にするには当然付属のバンドで頭に固定するわけですが,ゴーグル側にクッションついているとはいえ,これもずっと締め付けているとちょっと痛くなってくるかなという感覚.

それ故に今回の配信ライブでもMCパートにはメンバーの案内でゴーグル外して休憩できるような時間も設けられていました.もちろん個人の自由で付け外しできるのですけど,配信側が誘導してくれるのはよい試みと思います.

あとはゴーグル付けてずっと映像見ているのも結構目が疲れるかなと.見れなれていないのも一因とは思いますが,映るメンバーにピント合わせたりするのに結構目を酷使していた感じがして,個人的には適度に休憩とらないと辛くなるかなという体感でした.

視聴側の環境依存が強い

ここが一番の課題かなと今回感じたところ.

ライブの後半は映像か音が途絶える,VR MODEのアプリが突然強制終了する,映像と音がズレる,といった事象が頻発しました.

明確な理由は配信側か視聴側か分からないですが,ライブ後に視聴していた方の意見を見てる限りでは音ズレに関しては配信側,その他は視聴側に起因しているのかなという印象.

通信環境

まず最初に考えたのが通信環境に起因するトラブル.

VR MODEのHPには推奨通信環境として次の記載があります。

高画質でお楽しみ頂くには8~10Mbps、低画質の場合で3Mbps程度の通信速度が必要となります。

VR MODE

配信ライブ視聴時に測定したときの我が家の速度が60~70Mbps出ていたので問題ないレベルでした.

一応途中からは視聴モードを高画質から通常画質に設定変更したりしてみましたが,状況は変わらず.

ちなみにスマホの4G通信に切り替えると問題なく視聴できた,という意見も見受けられたのですが,3大キャリアの4Gでのダウンロード速度はモバイル通信調査をみると概ね50Mbps程度のようなので,さほど差はないですね.

一概には言えないですが,こうしてみると速度的には推奨環境満たしていても,ダメな場合あるので,速度に加えて回線の安定性みたいなものも必要なのかもしれないですね.

集合住宅の場合は特に周囲の環境でも速度変わりますし.

使用端末

もうひとつは使用端末に起因するトラブル.

こちらもVR MODEHPに推奨環境が記載されています.

OS

・2018年以降に国内で3キャリアより発売された端末
・iOSの場合、iOS11以降
 ※iPhone 8、iPhone X以降
・Android™の場合、7.0以上
・OculusGo 最新環境推奨
※OSが対象の場合でも端末の動画再生機能の性能によっては非対応となる端末があります。
※Android端末でCPUがSnapdragon400シリーズを搭載している端末は4K動画再生に対応していないため非対応となります。
※当サイトはタブレット端末、ガラホ(テンキーの付いたスマートフォン)、らくらくスマートフォンは非対応となります。

VR MODE

私が所持しているのはiPhone 8なので一応推奨端末に含まれています(もちろんiOSのバージョンも).

ですが,長時間視聴しているとスマホがかなりの発熱をしていたので,アプリが強制終了したのも発熱が原因かなと考えています.

推奨端末とはいえiPhone 8も発売からもうすぐ3年経過しますし,その後発売されたXSや11と比べるとCPUもメモリも劣るのは間違いないので,ある程度最新の端末でないと,長時間には耐えられないのかもしれないですね.

実際,ライブ前半はさほどストレスなく見れていましたので.

アプリが落ちると当然ながらゴーグル外してスマホ取り出す→スマホ操作してアプリ再起動して映像再生→スマホをセットしてゴーグルつける,という動作を行うことになり,結構時間をロスするうえに,頻繁にそれが起きると,ちょっと萎えるので,ストレスなく見るためには環境整備がある程度必要と感じました.

その他雑感

次はVRでライブ映像を見ていて感じたことを幾つか.

双方向でない

スマホを入れたゴーグルで映像を見てるので,当然“見る”以外の行為ができないわけです.

それはVRでの配信に限った話ではないですが,ほかの配信であればチャットなどでメッセージを送り,配信者がそれを拾ってリアクションをとることで,双方向のコミュニケーションが生まれるわけですが,VRだとそれすらない状態です.

もちろんその点を解消するために今回は途中のMCを長めに時間とってLINE LIVEを行う試みがなされています.

異なるプラットフォームを使うので,配信側も視聴側もドタバタしますが,現状できる手段はこれくらいかなとも思います.

またお客さんの反応がない分,通常ライブのようにメンバーがお客さんをオイオイ煽ることもなく,MCでは自らパットに仕込んだ歓声流すあたりは流石ガチャピンといったところ.

視点の移動はできないが向きとタイミングは自由

今回の映像はライブハウスのステージ前の所謂最前ドセン(センター)の位置からの映像で,そこから首を振ることで下手から上手まで見れる,という構図でした.

視点は普段のライブハウスでフロアからステージ見上げるのと違って,ほぼステージ上のメンバーと同じ目線だったので,メンバーが近寄ってくると顔と顔をほぼ向かい合わせてるみたいな視点になったり,新鮮な感じもあり面白かったです.

一方でカメラから遠いステージ後方やステージ両サイドにいるメンバーの表情など細かなところは正直見づらい印象でした.

スマホ+ゴーグルの組み合わせで解像度的にはやや落ちるので,ゴーグルの性能よいものやOculus Goみたいな専用ゴーグルだと見え方は違うのだとは思います.

また当然ながらカメラが固定なので,そこから首振って見る方向を変えるのみで,見る位置を変えることはできないです.

普段下手や上手から見てるのと同じ景色をみたい欲を満たすことはできないですし,メンバーの立ち位置によっては後方のメンバーと被り見えなくなるってことも不可避です.リアルなライブなら自分で多少動いたり首動かしたりして視点変えれますが,VRなのでそこは止む無しといったところ.

またパフォーマンスに関してもステージ前のお客さんに面で魅せるのとカメラに点で魅せるのとでもやり方は異なるので,その辺の慣れも必要なのかなと.

このあたりは想定していたので,割り切って見てましたが,VRならではの良さというのもありまして.

通常のライブ映像の場合,この曲のこのキメの時はこっち映してよ!とかこのリフの時はこのメンバー見せてよ!とか思うことあると思うのですが,自分のタイミングで自分の好きな方向見れるので,そこは自由自在.

VRならではの面白さで最初はキョロキョロしてましたが,最終的に私の首は左を向いており,最終的にはずっと左を向いてるのも疲れるので,映像のセンター位置を調整して,首はまっすぐ,映像は左向き状態という謎のセッティングに落ち着いてました(笑)

こうやって普段ではなかなかありえない角度から映像見ることができるのも面白いですし,やり方次第では可能性はまだまだ広がるなと.

まとめ

ガチャピンのVR生配信ライブを個人的に総括するとこんな感じかなと.

  • 新たなライブ体験の形として可能性は十二分にある
  • 長時間の視聴は厳しい
  • 視聴側の環境に強く依存する
  • 双方向でない,視点の制約がある点で当然リアルに劣る
  • VRで見てもKOGAさんは可愛かった

まだまだ馴染みのないVRというジャンルにチャレンジした今回のライブ配信.

安牌な選択をするのではなく賛否良否あるのを飲み込んだうえで新しいことにチャレンジして可能性を見出して道を切り開こうとするのは何ともガチャピンらしいなと思っていますし,やってよかったと言い切れます.

やってみないと分からないことだらけなので,やってみたうえで出た課題は改善し,見えた可能性は広げていく.

そうやって過去の囚われることなく前を見据えて新しいスタイルを生み出しながら突き進んできたバンドなので.

個人的にはVRは面白い試みながら見る側の環境依存なところが現時点では大きすぎて,万人受けするシステムではまだないと感じたのが今回のライブ.

スマホが普及し,通信環境も整備されていつでもどこでも動画見れるのが一般化したように,5Gを始めとしたこの先の環境整備が追い付けば,VRも普及するのかなとは思います.

それまでは長時間のVRで配信,よりはライブ生配信は従来の映像フォーマット主体にして,一部は別途ダウンロード販売して通信環境に依存せず楽しめる,みたいなやり方が現実かなと感じた次第.

何れにしてもピンチをチャンスに変えてきたバンドGacharic Spin.このコロナ禍のピンチにも新たなチャンスを見出すはずなので,新たな試みはどんどんチャレンジしていって欲しいなと思います!

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